ものごとが思うように運ばずに落ち込んでしまう、ということは誰にでもありますよね。
仕事でミスをしたり、人間関係がうまくいかなかったり……
そういうことが続くと自分に自信がなくなってきてしまいます。
「自分はどうしてダメなんだろう」
「何をやってもうまくいかない」
もし、いつもそういう風に思うクセがあるとすれば注意が必要です。
その思い込みは、負の感情をどんどん増幅させてしまうからです。
「理想の姿にはとてもじゃないけどほど遠い……」
そう思うことは、自分を理想から遠ざけているのと同じことなのです。
しかし、思い込むことで負の感情が増幅するのであれば、逆の現象も起こすことができます。
そう、「自分はできる」と思い込むと、本当にできる人間へと変わっていくのです。
人間は、思い込むことでその思い込みに沿った行動を取るようになります。
これを「ラベリング効果」と呼びます。
ラベリング効果は一般的に、人への対応などに焦点をあてて語られることが多いのですが、今回はそれを自分自身へと向けることで理想の自分へと変わる方法をお伝えします。
- ラベリング効果とは【人格の形成】
- 自分自身にラベリング【ラベルの貼り替え】
- ラベリングとは強力な自己暗示【脳を騙す】
精神論のように聞こえるかもしれませんが、ラベリング効果はれっきとした心理学です。
様々な研究で効果が認められており、スポーツ選手を育成する現場などでもひろく取り入れられています。
特に思い込みの激しい人ほど、ラベリング効果の使い方を身につけると絶大な効果が現れます。
特別な知識や道具はいりません。
使うのは自分の脳だけです。
今はまだ半信半疑でもかまいません。
最後までお読みになり、ぜひ一度試してみてください。
心の持ち方が変わるのを感じられるはずです。
オネットただの思い込みで、本当に自分を変えられるのかな……



思い込みの威力は絶大だよ。
騙されたと思ってやってみよう。
ラベリング効果とは【人格の形成】


ラベリング効果とは
思い込みで行動が変わる「ラベリング効果」とは、具体的にどういったものなのでしょうか。
「あなたは〇〇な人だよね」
などと言われると、
「自分ってそういう人間なのか……」
と思ったりすることはありませんか?
「頭が良いね」と言われると、「自分はわりと賢いんだ」という気になり、「意地悪だね」と言われると、「自分は嫌なやつなのか」と思ったりします。
ラベリング効果とは、相手に「〇〇な人」とラベルをつけることで本人もそういう気になる、というものです。
悪い意味で使われるときは「レッテルを貼る」などと言ったりもしますね。
人は誰かににラベルを貼られると、意識的であろうと無意識的であろうと、貼られたラベルに見合った行動をとるようになっていくのです。
日頃から褒められている人は成長が早く、けなされてばかりの人は卑屈な性格になっていく、というのはなんとなく想像できますよね。
たとえ根拠がなくても「〇〇な人」と決めつけることで、その人の行動や心理に影響を及ぼす心理学的な効果のことをラベリング効果といいます。
アイデンティティの確立に関わる
このラベリング効果は、人格の形成にも大いに関わっています。
幼少の頃から「優しい子だね」と言われ続けて育つのと、「出来のわるい子だ」と言われ続けて育つのとでは、成長したときの性格が大きく変わってしまうのは想像に難しくないと思います。
「優しい子だね」と言われて育った子は、「自分は優しいんだ」と思い込み「優しい」というラベルに見合った行いをするようになります。
「出来のわるい子だ」と言われて育った子は、「自分はダメなんだ」と思い込み「出来がわるい」というラベルに影響され、ひねくれた行いをするようになってしまいます。
おおげさではなく、ラベルひとつで人間の人格が左右されるのです。
ラベリングは天才をも生み出す
ここで少し、あの天才科学者アインシュタインのお話をしましょう。
アインシュタインは幼少のころ、学校の先生から「知能に遅れがある」と評価されていたといいます。
9歳まであまり喋ることもせず、アルファベットを書くのもおぼつかなかったらしいのです。
ただ、数学の才能が目を見張るほど飛び抜けており、両親は息子の才能を確信し、毎日のようにアインシュタインを褒めて育てました。
ここに「ラベリング効果」があります。
「知能が遅れている」というラベルを貼られたまま大人になっていたら、歴史上稀にみる偉大な天才科学者は存在しなかったかもしれません。
両親によって批判的なラベルから守られ、「数学の天才」というラベリングをされて成長したからこそ、相対性理論を思いつくほどの超人的な頭脳が育まれたのです。
ラベリングは日常的に行われている
「ラベリング効果」というと難しそうな響きになってしまいますが、ここまでお読みになったあなたは、これが普段から何気なく使われていることにお気づきでしょう。
子供だけではありません。
もちろん大人にも当てはまります。
「仕事が早いね」と言われる人はどんどん仕事が早くなり、「いつもミスばかりだな」と言われる人は一向にミスが減りません。
「お若いですね」と言われる人はいくつになっても若々しく、「頭が堅い」と言われる人はどんどん頑固に。
「おとなしい人だ」と言われると消極的な性格がいつまでも目立ちます。
それは、それぞれラベルに見合った行動をとるようになるからです。
「若い」と言われれば「自分は若い」という意識を持つようになり、身なりに気をつかったり老化の原因となることをしないようにする、などという具合に。
人間は、貼られたラベル通りの行動をするようになるのです。
ところで、血液型占いというものは日本独自の文化だということをご存じでしょうか?
「A型は几帳面」「B型はマイペース」などの考えは外国ではあまり見られません。
それでも多くの日本人が血液型を大まかな性格の基準としているのは、生まれた時からそのような話を身近で聞いてきたからなのです。
これもラベリング効果に他なりません。



たしかに、たとえば「絵が上手だね」なんて言われたら、その気になってたくさん描いちゃいそう……



良いことを言われると自信がつくよね。
「褒めて伸ばす」というのは、心理学的にも効果抜群の教育法だったりするんだよ。
自分自身にラベリング【ラベルの貼り替え】


ラベリング効果は自分にも使える
他人に貼られたラベルが行動に影響を与えるということがお分かりいただけたと思います。
決めつけるように印象を植え付けられると、それに沿った言動をとるようになります。
そしてこの効果は、自分自身に対しても使うことができるのです。
自分のことを頭の回転が早いと思い込み、「自分は頭がキレる」というラベルを自分で貼ると、それに見合うように行動します。
たったそれだけのことで頭の回転が早くなれば苦労はしませんよね?
もちろんラベルを貼ることで頭の回転が早くなるわけではありません。
「頭の回転が早い自分」になろうとするのです。
「自分は頭の回転が早い」と思い込んでいる人と「遅い」と思い込んでいる人がいたとします。
なにか問題に直面したとき、両者の思考には違いが現れます。
「頭の回転が早い」と自分で思い込んでいる人は、無意識に脳をフル回転させようとします。
「自分は頭がキレるのだから、この問題は解決できるはずだ」
という思考になるのです。
たとえその時はうまくいかなかったとしても、問題が起きるたびに深く考えることを繰り返すことで脳が訓練され、次第に頭の回転が早くなっていきます。
「自分は頭の回転が遅い」と思い込んでいる人は、問題のたびに思考停止に陥り、いつまでも脳が鍛えられません。
人はラベルに見合った行動をします。
これは自分で自分に貼ったラベルでも同様です。
それが積み重なることで、「ラベル通りの自分」へと近づいていくのです。
貼られたラベルを張り替える
自分自身でラベルを貼ることができるのであれば、「ラベルを剥がす」こともできます。
他人から貼られたネガティブなラベル、自分で貼ってしまっている短所のラベル。
これらは剥がすことができます。
とはいえ、心理的なラベルは目に見えないものなので、気持ちやイメージで剥がしても剥がれたのかどうかなんてわかりませんよね。
そこで、すでにあるラベルの上から別のラベルを重ねて貼るイメージを持ってください。
同じ種類のポジティブなラベルで上書きするのです。
「優柔不断」というラベルが貼られているのなら、その上から「決断力がある」というラベルを重ねて貼りましょう。
張り替えてしばらくは意志の力が必要です。
まだ最初から貼られていた「優柔不断」のラベリング効果が残っているためです。
「自分は決断力のある人間なんだ」と言い聞かせることで、優柔不断のラベルはどんどん効果を失っていき、「決断力のある人間」になるための行動が増えていきます。
ラベリング効果を自分自身に使うことで、短所を克服することさえできてしまうのです。
この力をより一層効果的に利用できるよう、次にお伝えするコツをおさえておきましょう。
セルフラベリングの3つのポイント
1.ラベルは肯定文で
まず、ラベルは否定文ではなく肯定文が鉄則です。
「〇〇ではない自分」ではなく、「〇〇な自分」としてください。
先ほどのお話でいうと、「優柔不断ではない自分」ではなく、「決断力のある自分」とラベリングするということです。
まわりくどいラベルだと脳が混乱してしまいます。
さらに脳はネガティブなワードに引っ張られてしまうので、ここでいう「優柔不断」というワードは使わないように注意し、ポジティブな形に変換してラベリングをしましょう。
2.過程を無視したラベリングは効果がない
たとえば、お金持ちになるために「裕福な自分」とラベリングしても、当然お金は増えませんよね。
お金持ちになりたいと思うのであれば、「お金を手に入れる自分」をラベリングします。
「会社で出世する自分」「事業で成果を出す自分」という具合です。
そしてそのためには、「仕事ができる自分」や「営業力のある自分」というラベリングが必要となる場合もあるでしょう。
細かい段階を踏んでいちいちラベルを貼る必要はありません。
ただ、過程を無視したラベリングをしても自分にしっかりとした土台がなければ近づくのは難しくなります。
3.過度なラベリングに注意
理想的な自分へと近づくためにセルフラベリングは非常に効果的です。
しかし、あまりにも現状とかけ離れているラベルを貼ってしまうとそれがプレッシャーに感じて逆効果となることもあります。
いきなり「副業で月に100万円稼ぐ自分」としても、急には無理です。
それを達成しようと無茶をして体を壊すことになりかねません。
ラベルを多く貼りすぎるのも良くありません。
脳はそれほど多くのことにコミットすることはできないので、欲張らず程々にしておきましょう。
ラベリング効果は魔法ではなく心理学です。
あなたという人間が基本となっていることを常に意識して、自分自身をアップデートするために有効活用しましょう。



ラベル通りに考えたり行動したりしようとするのか……
それなら、悪いラベルより良いラベルを貼らないと損だね。



「自分は〇〇な人間だ」と思い込むことが、自分自身に対するラベリング効果なんだ。
ポジティブなイメージを心がけよう。
ラベリングとは強力な自己暗示【脳を騙す】


スキルの追加をラベリング
性格や意識、行動に影響を与えるラベリング効果ですが、これを応用すれば新たなスキルの獲得も目指せます。
方法は簡単です。
「自分はそれが得意だ」とラベリングすればいいのです。
プログラミングを身につけたいのであれば、「自分はプログラミングが得意だ」とラベルを貼りましょう。
そう言い聞かせることで、「自分にできないはずはない」と思うようになります。
学習の効率も徐々に上がり、知識や技術が身につきやすい脳へと変わっていきます。
もしそう思えないのであれば、それはまだ苦手意識のラベルが貼られているということです。
冒頭でお話ししたように、人は意識的であろうと無意識的であろうと、貼られたラベルに見合った行動をとるようになります。
ラベルで人をコントロールできるのです。
自分自身をコントロールすることも難しいことではありません。
理想のラベルで理想の自分へ
ラベリング効果とは自分の内なる肩書きのようなものです。
自分はどういう人間なのか。
生まれ持った先天的な性格も当然ありますが、人生を過ごすなかで形成される後天的な性格が「あなたという人間」の多くの部分を作り上げています。
プラスのラベルを貼ると人生は良い方向へと向かい、マイナスのラベルを貼るとわるい方向へと進みます。
脳に繰り返し刷り込むことで、確固たるアイデンティティが出来上がるのです。
自分が理想とする人物を思い描いてみてください。
まわりから憧れられる人というのは、ブレない自分を持っています。
そういう人たちは「自分はどういう人間か」をわかっているのです。
意識していないとしても、そこにはラベリング効果のパワーが働いています。
人はラベルに見合った行動をします。
あなたが理想の自分へと近づくため、自分自身に理想のラベルを貼りましょう。
脳は簡単に騙される
ラベリング効果を一言で表現するとすれば、「強力な自己暗示」といったところでしょうか。
思い込みの力というのは想像以上に大きいです。
人間の脳は思い込みに支配されていると言っても過言ではありません。
人の意識はイメージすることで形を持ちます。
想像力が思考を生み出します。
それに引っ張られるように脳内で信号をつなぎ合わせようとします。
強くイメージすれば、事実であろうとなかろうと脳は簡単に騙されるのです。
その力を説明したもののひとつが、今回お話ししたラベリング効果です。
あなた自身、今現在たくさんのラベルが貼られているはずです。
話が上手な人、思いやりがある人、手先が器用な人、料理が得意な人、落ち着いている人……
それらはあなたの自信になっていませんか?
貼られたラベルがあなたという人間を作り上げているのです。
身をもって効果は実感しているはずです。
その力を理解して意図的に自らに向けて使い、理想の自分に変わっていきましょう。
ラベルは今、自分ですぐに貼ることができます。



思い込みで自分の進む方向を選ぶことができる……
ラベリングって、人生においてものすごく重要なのかも……



理想の自分を生きるために、セルフラベリングは強力な手助けをしてくれるはずだよ。
「自分らしさ」は自分の手でつくり上げよう。










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