「やらないといけないことが山のようにある……」
毎日一生懸命に働くあなたは、仕事に追われて忙しい日々を送っていることでしょう。
「あれの期限がもうすぐだ……」
「その前にこれも片付けないと……」
仕事を抱えすぎて手が回らなくなり、頭がパンクしそうになりますよね。
わかります。
私にもそのような経験は数え切れないほどあります。
「すぐに手をつければ、今頃はとっくに終わっていたはず……」
後でしようと思い、先延ばしにしていた仕事に足元をすくわれるのです。
そして、先に延ばせば延ばすほど、なかなか手をつけないものです。
生まれた仕事にすぐ取りかかれば、日々の負担が軽くなることは想像に難しくないと思います。
着実に仕事が進み、順番に片付いていくのですから。
しかし人間というのは後回しにしたがる生き物なのです。
「しっかりと下調べをしてからはじめよう」
「この資料をまとめるには、まだデータが足りない」
万全を期して挑もうとするがゆえに、準備に時間を取られて肝心の作業そのものが一向に進みません。
「まとまった時間のある時にしよう」
そう考えているうちに、新しい仕事が次から次へ、洪水のように流れ込んできます。
先延ばしにするというのは、負担を増やす行為なのです。
身をもって経験している私が、「すぐにやる思考」をあなたにお伝えします。
- すぐにやる思考「エメットの法則」【先延ばしグセ改善】
- 2つの法則【消耗と完璧主義】
- エメットの法則で仕事に追われない毎日を【完璧より完了】
この記事を読んで考え方を学んだら、今から実践しましょう。
あなたの負担は必ず軽くなっていきます。
仕事の洪水をダムでせき止めてはいけません。
いつか決壊してしまいます。
眉間にシワのよった顔をしていては気分まで曇っていきます。
自信に満ちあふれ、穏やかで余裕のある人間へとレベルアップしましょう。
その方法こそが、『エメットの法則』です。
すぐにやる思考「エメットの法則」【先延ばしグセ改善】

エメットの法則とは
エメットの法則とは、リタ・エメット氏により提唱された「先延ばし」に関する法則です。
書籍の執筆や、メルセデス・ベンツなど大企業でのセミナーを行いながら、タイムマネジメントやストレス管理などについて指導する経営コンサルタント
『いまやろうと思ってたのに…かならず直るーそのグズな習慣』
(光文社 2001年)
「仕事を先延ばしにするということは、それを終わらせることに対して2倍の時間とエネルギーを要する」
というものです。
「あとでしよう」と思って先延ばしにしておくと、すぐに手をつけた場合よりも2倍の労力がかかってしまうのです。
その理由は、後回しにすることによって本来必要ないはずの手間が生じるため。
気がついていないかもしれませんが、すぐに手をつけなかった作業に取りかかる時には、とてつもない無駄が発生しているのです。
先延ばしがあなたにかけている余計な負担
では、具体的にどのような負担がかかっているのでしょうか。
それは次の4つです。
1.覚えておく負担
あとでするということは、やらなければならないことやその内容を覚えておかなくてはなりません。
はじめは鮮明だった記憶も、時間の経過とともに曖昧なものへと薄れていきます。
メモなどに箇条書きで書き留めておくこともできますが、メモする時間があるのであれば、少しでも作業に手をつけましょう。
2.思い出す負担
作業をはじめるにあたり、最初に描いたイメージを思い出す必要があります。
どのように進めようとしていたのか、どんな仕上がりにしようとしていたのか。
思い出すのに時間がかかり、脳に無駄な負担をかけることになります。
思い出せたらまだいいのですが、結局思い出せずに「ゼロからはじめる」ということにもなりかねません。
3.体力的負担
先延ばしにすると、その分だけ期限が迫っています。
間に合わせるために焦って作業し、終わらなければ夜遅くまで働いたり睡眠を削ったりすることになってしまいます。
期限に迫られて重い腰をあげる働きかたは、もうやめにしましょう。
4.精神的負担
その作業に手をつけるまで、「いい加減にやらなければ……」という思いが付きまとうことになります。
さらに、後回しにした時間に比例して上記3つの負担がのしかかってきます。
このように、先延ばしは脳にも身体にも多大なる負担をかけるということがお分かりいただけたと思います。
2つの法則【消耗と完璧主義】

エメットの法則は、大きくわけて次の2つの法則から構成されています。
- 先延ばしは作業そのものよりも消耗する
- 完璧主義こそが真犯人
先延ばしすることのデメリットや、なぜ後回しにしてしまうのかがこの2つの法則に込められています。
先延ばしは作業そのものよりも消耗する
「作業の実行そのもの」よりも、「作業をすることに対する不安」の方が多くの時間とエネルギーを消耗します。
資料の作成を例にして考えてみましょう。
時間がなくて先延ばしにすると、はじめに想像していた完成形のイメージや、どんなグラフ・図を挿入するか、などといったアイデアはどんどん記憶から薄れていきます。
重い腰をあげて資料を作りはじめるときには、それらのことを思い出すことからはじめなくてはいけません。
もちろん、すぐに取りかかっていればこれらの負担は生じません。
脳内作業の二度手間です。
「資料を作る」ことよりも、「資料の内容に悩む」ことに脳と時間を浪費しているということです。
あとでするより、いまする方が楽なのです。
早く作業に取りかかるほど負担が減るというのが、エメットの法則の1つ目です。
完璧主義こそが真犯人
この2つ目の法則こそ、先延ばしグセの核となる原因です。
突然ですが、あなたは自分が完璧主義者だと思いますか?
私自身は、どちらかというと完璧主義の傾向があります。
自分が納得できるものを作りたい。
中途半端な仕上がりにしたくない。
やるなら効率的に、最大限の成果を出したい。
「完璧」を目指す人ほど、先延ばしにより消耗してしまう人なのです。
なぜならば、はじめるまでに時間がかかるからです。
完璧を目指す人は綿密に計画を立てようとします。
そのこと自体にまず時間を使います。
そして、作業に取りかかる前に「情報収集」をはじめます。
最も効率的な方法はなにか、使えるツールはないか、王道パターンはどういったものか、などをひと通り調べ上げて作業にのぞみます。
本来の目的である「作業を終わらせる」ことよりも、「作業のやり方」を調べることに時間を使います。
このように、事前準備に力を入れるほど、作業の開始が先へ先へと延びていってしまうのです。
方法や理論ばかりを頭にため込んで、一向に実行へ移さない人のことを「ノウハウコレクター」と呼んだりします。
手を動かさなければ、ただの情報収集家です。
こう言われて、あなたには思い当たる節はないでしょうか。
私にはとても耳が痛い話です。
知識を多く仕入れたほうが作業がスムーズになる気がしてしまうのです。
まだ作業をはじめてもいないのに、スムーズも何もあったものではありませんよね。
作業を進めながら調べることで十分対応できます。
この法則は仕事以外にも当てはまります。
ジムに通おうと思ったら、まずは近所のジムについて詳細を調べます。
ジム用の服や靴はどれがいいかと調べます。
効果の出るトレーニング方法を調べます。
まだジムには行ってもいないのです。
調べに調べた結果、「今はまだ時期ではない」と専門家ばりの結論を叩き出したりします。
完璧主義者が先延ばしグセに陥りやすい理由がおわかりいただけたでしょうか。
エメットの法則に従うのなら、準備はほどほどに、まずは「今すぐはじめること」が重要なのです。
エメットの法則で仕事に追われない毎日を【完璧より完了】

完璧主義者は損をする
100%を目指すのは非効率的なことがわかりましたね。
完璧主義者ほど、先延ばしのワナにはまってしまうのです。
しかし、そう簡単に自分の性格を変えることはできませんし、変える必要もないのです。
自分を捨ててまで仕事人間にはならないでください。
変えるのは性格ではなく思考です。
まずは「とにかくやりはじめる」という思考を持つようにしてください。
はじめから考えすぎなくていいのです。
手を動かし頭を働かせれば、その都度必要なことが見えてきます。
その時に調べればいいのです。
やりはじめれば、「意外とすんなり片付いた」ということが頻繁に起きるようになります。
その感覚をつかみましょう。
「はじめから100%の出来は求めない」と心に決めてください。
まずはとにかく60%の完成度で最後まで仕上げましょう。
言うのは簡単ですが、完璧主義者にとってはここが難しいところです。
私もよくわかります。
自分で仕上がりに納得したいのです。
しかし、仕事というのはどれだけ内容が優れていても、終わらなければ0%です。
相手にとって進度はまったく関係ありません。
出来たのか、出来ていないのか、です。
早く終わって時間に余裕があれば、その時に手を加えて完成度を上げればいいのです。
もし時間が足りなくなっても完成はしているので、そのまま提出すれば完了です。
「70%までしかブラッシュアップできなかった」
「まだ60%のままだけど……」
それでもいいのです。
完成せずに期限に遅れるよりは確実に優れています。
もちろん、適当に仕上げるということではありません。
最低限の必要を満たす仕上がりで60%ということです。
「ひとまず完成はしている」と思うことで、精神的な負担はかなり減ります。
そこまでいけば、他の作業にも心置きなく手をつけられます。
納得のいく出来を求めてなかなか手が進まないというあなたへ、もう一度繰り返します。
とにかく今、それをやりはじめましょう。
細かいことは二の次です。
「やらなければ」を「やりたい」に変換
そうは言っても、なかなかやる気が起きないこともありますよね。
人間であれば当然です。
作業に取りかかれない原因の一つは義務感によるものです。
「やらなければ」と思うと精神的な負担が生じます。
そしてそれが「面倒だ」という感情を作り出します。
そんなとき、「義務感のポジティブ変換」を行ってみてください。
「やらなければ」いけないことを「やりたい」と思い込んで脳を騙すのです。
たとえば、筋トレを習慣にしようとすると、慣れはじめてきた頃に面倒に感じる時期が訪れます。
「決めたことだから今日も筋トレをしなければ……」
そう思ったとき、ネガティブな思考を脳内でポジティブに言い換えます。
「はやく筋トレがしたい。筋トレの後は頭がスッキリして気分が爽快になるから」
というように、理由付きで変換してみましょう。
たったこれだけのことで脳は錯覚を起こし、義務感が消えて前向きな状態になります。
脳というのはイメージに引っ張られます。
私の経験からしても、この方法は意外に効果抜群なのでぜひ試してみてください。
下向きな気分が、面白いほど簡単に上向きに変わる感覚を味わうことができます。
先延ばしグセを断ち切る方法
ここまで、先延ばしによりもたらされる無駄・負担・消耗についてお話ししてきました。
そして、先延ばしを防ぐためには
- はやく作業に取りかかる
- 完璧主義をやめる
- 脳内でのポジティブ変換
が有効的だとわかりましたね。
それらの方法をさらに深掘りした法則や理論も世の中には多く存在します。
たとえば、とにかくすぐに作業に取りかかることを目的とした「5秒ルール」
また、少し手をつけた作業は完了したことよりも強く印象に残るという「ツァイガルニク効果」
人間の「忘れる」という仕組みを理解できる「エビングハウスの忘却曲線」
なども知っておくと、先延ばしの対策に組み合わせて使えます。
[https://kumonagi.com/5second-rule/]
とにかく、この記事で一番お伝えしたかったのは、
「まずやりはじめることがあなたを変える」
ということです。
そして、この思考を身につける前の私自身にも強く伝えたいと思います。
調べることに時間を使いすぎるな。
情報収集が目的ではない。
こだわらないで、とにかく着手しろ。
と。
この法則にどれだけはやく気づけるかが、この先の仕事の生産性、ひいては人生の質にまで、おおきく影響を与えます。
完璧を目指すのは素晴らしいことです。
あなたにしかないその感性は大切にしましょう。
個性は唯一無二の武器です。
しかし、使いどころを間違えないように。
出来上がらない芸術作品は無価値です。
本来の目的を見逃さないように、さあ、今すぐにはじめましょう。
はじめたことは進んでいきます。
はじめなければいつまでも止まったままです。


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