集中力を高めるBGM【音楽は脳に作用する】

誰にも邪魔されずに夢中で作業をしたいとき、あなたはどんな方法で集中力を高めますか?

「軽く音楽をかけて作業をする」という人も多いと思います。

聴いて楽しむためではなく、小さく薄く流すような、いわゆるBGMですね。

今回は、「音楽を流すと本当に集中できるのか?」という疑問を解明します。

中には「気が散るので音楽はかえって邪魔になる」という人もいることでしょう。

なにかの作業中、音楽に意識が持っていかれる経験は私にもよくあります。
これは音楽が好きな人ほど陥りやすいワナと言えます。

しかしそういう場合、もしかするとBGMの効果を正しく利用できていないことが原因かもしれません。

音楽によって得られる心理的効果や、脳内でどのような働きが起きているのかを理解して効果的に利用すれば、BGMは集中力を高めるための強力なツールとなりえます。

そのためには、どのような音楽を選ぶべきか、BGMに適さない音楽とはどういうものかを知る必要があります。

そういった点も踏まえて、この記事で詳しく解説していきます。

集中力を高めるためBGMを効果的に使い、生産性アップを目指しましょう。

本日のプログラム
  • 集中力とBGMの関係性【効率は上がるのか】
  • BGMによってもたらされる効果【脳と心理】
  • 集中力を高めるには選曲が重要【プラス作用のBGM】

音楽というのは脳に直接作用します。

それだけに、使い方を間違えるとマイナスに働いてしまう可能性も十分にあるのです。

BGMを正しく流すことはひとつのスキルとなります。

大袈裟ではなく、それほど音楽が与える影響というものは強力なのです。

オネット

音楽を流すと集中できるようになるの?

クモナギ

正しい音楽を選べば、集中力を格段にアップさせることが可能なんだ。
これから、その理由や選び方を見ていこう。

目次

集中力とBGMの関係性【効率は上がるのか】

脳の仕組みを知る

音楽と集中力のつながりは脳の働きによるものです。

まずは脳の仕組みを簡単に把握しましょう。

人間の脳というのは、無意識であれば並行して複数の処理ができるように作られています。

特別考えずにできる作業であれば、同時にいくつもこなすことができます。

たとえば「歯を磨きながらテレビを見る」「友達と電話をしながらいつもの道を歩いて帰り、信号が赤なら止まる」というように。

意識しなくても自然にこなすことができますよね。

これが思考が必要な作業になると話は変わります。

脳は意識をして行う作業は並行処理に向いていないという仕組みになっています。

計算をしながら文章を書くというのは無理がありますし、資料をまとめながら人とお喋りしていると作業がまったく進みません。

脳は、考えるときは考えることに集中したがります。
余計な情報が入ると処理能力が極端に落ちてしまうのです。

  • 無意識の状態は並行処理できる。
  • 意識して行う作業では並行処理はできない。

この脳の仕組みからすると、「作業をしながら音楽を聴くのは効率が落ちるのではないか」と思いませんか?

そう、音楽を「聴いて」しまうと効率は落ちます。

音楽への意識が働いているからですね。

なので作業中のBGMとしては、音楽が無意識に「聞こえている」状態が望ましいのです。

BGMで作業効率は良くなるのか

結論から言うと、作業効率は上がります。

先ほどの脳の仕組みを思い出してください。

人間の脳は、意識しなければ並行処理が可能でした。

意識に介入してこない音楽を選んで流すことができれば、BGMは集中力を高めるのにとても効果的です。

後述しますが、無意識に耳から入ってくる音楽により様々な効果が得られるので、脳の機能性が高められるのです。

ここで、マウスを用いた実験をひとつご紹介します。

マウスに特定の動作を覚えさせるとき、完全に無音の状態で教えても学習効率は上がりませんでした。

ところが、ホワイトノイズ(テレビのザーという砂嵐のような音)を聞かせた状態で教えると、学習速度が早くなるという結果が出ました。

この結果は私たち人間にも当てはまります。

無音状態よりも、適度な雑音がある環境の方が学習の効率が上がるとされています。

静まりかえった図書館でひたすら暗記するより、喫茶店など多少の雑音がある場所でやった方が「意外にすんなり頭に入った」という経験はありませんか?

これこそが「音と脳の関係」です。

詳しく言うと「50デシベル前後」の雑音が良いとされていて、これは比較的静かな喫茶店や、激しすぎない雨や風の自然音などが当てはまります。

BGMを上手に利用すれば「意外にすんなり暗記できた」あの環境を、いつでも再現することが可能になります。

古代の文明は理解していた

BGMという概念はいつからあったものなのでしょう。

驚くことに、はじめて歴史上にBGMの記述が出てくるのは紀元前2000年頃のエジプトなのだそうです。

その目的は、出産時の苦痛を和らげようとするため。
効果を知りながら音楽を奏でていたのです。

古代ギリシャ・インド・中国では、精神療法や医学目的に使用されたという記録も残っています。

本能的な感覚であったとしても、彼らは音楽が精神に作用するということを知っていたのです。

私は毎回調べ物をしていて思います。

「昔の人々はなぜ、これほどまでに凄まじい知恵と知識、技術や探究心を持っていたのだろう……」

と。

心の底から不思議に感じる日々を過ごしています。

オネット

無意識の動作であれば、同時に処理することができるんだね。

クモナギ

そのとおり。
なかでも、音楽が無意識に聞こえている状態は脳の性能を高める、というわけだね。

BGMによってもたらされる効果【脳と心理】

ドーパミンとセロトニン

BGMは使い方次第で高い効果を発揮するということがわかりました。

では、なぜ効果があるのか。
脳内で音楽がどのように作用しているのかを見ていきましょう。

ドーパミン

音楽にはドーパミンを分泌する作用があります。

聞き覚えのある言葉ですよね。

ドーパミンは「やる気物質」といえるものであり、これが増えるとポジティブで意欲的になるという特徴があります。

前頭前野の働きを効率化するには、適量のドーパミンが必要となります。
(前頭前野:思考や創造性をつかさどる脳の部位)

ただし、ドーパミンが過剰に分泌されてしまうと興奮状態になり落ち着きを失ってしまいます。

激しすぎる音楽はBGMに向いていないということになりますね。

セロトニン

セロトニンとは、安心感をもたらし気分をリラックスさせる脳内物質です。

別名「幸せホルモン」と呼ばれ、興奮した神経を落ち着かせてくれる働きがあります。

セロトニンは自然の音を聞くことで分泌されやすいことがわかっており、雨の音や波の音、鳥のさえずりなどが良いとされています。

環境音を流すリラックス系のアプリにこれらの音がよく収録されているのは、セロトニンの分泌を狙ってのことなのです。

アルファ波

音楽により脳内で分泌される物質には、ドーパミンとセロトニンがありました。

そのほかに脳内で起こる現象として、アルファ波(α波)の発生があります。

これは脳内物質というよりは「脳波」の種類になります。

α波が脳から検出される状態というのは、おもにリラックスしているときと集中しているときです。

落ち着いた状態だとこのα波が出ており、自律神経のバランスを整え、ストレスを抑制し、脳を活性化してくれます。

α波が出やすい音楽としてよくあげられるのがクラシックです。

中でもモーツァルトの曲はどれもα波が出やすいとされていて、集中力を高めるBGMに適していると言えるでしょう。

セロトニンのときに出てきた「自然の音」もα波を発生させる力を持っています。

自然が発する音が人間の脳にここまで影響を与えるというのは不思議に感じますが、母なる大地が奏でる音楽に人間が癒されるのは当然のことなのかもしれませんね。

4つの心理的効果

ここまで脳に関するお話をしてきましたが、次は心理的に作用する効果についてお伝えします。

音楽を流しながら作業することで得られる心理効果はおもに4つあります。

マスキング効果

これは、音を出すことで他の音を打ち消すというものです。

たとえば、レストランでは基本的にBGMが流れていますよね。
あれがあるおかげで、隣の席の人の会話がそこまで気にならなくなっているのです。

もし無音状態だったら、他の人の会話が気になったり、自分たちの話が聞かれているのではないか、という気になって落ち着きません。

この効果は自宅やオフィスでも使えます。

  • 窓の外から聞こえる雑音
  • 空調の音
  • 電話の話し声
  • 気になり出したら頭から離れない時計の秒針の音

これらをBGMのマスキング効果で意識の外へと追い出すことができるのです。

感情誘導効果

悲しい音楽を聴くと悲しい気持ちになる。
陽気な音楽を聴くと明るい気持ちになる。

このように、人の気持ちを左右するのが感情誘導効果です。

音楽によって起きる感情誘導効果には、脳の作用でお話しした「やる気が出る」「集中力が高まる」なども含まれます。

流す音楽によって感情をある程度操作できてしまうわけです。

BGMのもたらす効果の中でも、この感情誘導効果は特に重要な心理作用といえます。

行動誘導効果

速いテンポの音楽が流れていると、いつもより作業する手が早く動くような気になりませんか?

行動誘導効果は、人の行動に影響を与えます。

運動会の競技ではアップテンポな曲が流されますよね。
その理由を心理学的に説明すると、行動誘導効果で身体が軽快に動くようにする狙いがあるわけです。

仕事の終わりには穏やかなBGMを流して、オンとオフの切り替えをしやすくする、などという使い方もできます。

イメージ誘導効果

イメージ誘導効果は、場の雰囲気を演出します。

実は聴覚から入る情報というのは、視覚から入る情報よりも印象が強いのです。

例として、次の2つのアパレルショップをイメージしてみてください。
店内の内装やスタッフの身なりなどの要素はそれほど差がないとします。

  • 流行りのJ-POPが流れているお店
  • おしゃれなジャズが流れているお店

どちらが高級そうですか?

おそらくジャズの方ではないでしょうか。
これが格調高いクラシックになると、なおさらお高そうになります。

イメージというのは聴覚からの印象で大きく変わります。

目は閉じることができますが、耳は閉じれません。

意識して聴いていなくても、音というのは確実に耳から入り、人の心理に大きく影響を及ぼすのです。

BGMを無意識レベルで耳に入れることで、音楽の持つ効果を自然に受け取ることが可能というわけです。

オネット

「セロトニン」ってときどき耳にする言葉だね。
音楽のもつ力が、脳に作用してるってことか……

クモナギ

音楽は、耳から入って脳を通り、感情に働きかける不思議な効果があるんだ。
そのためにも、「どんな音楽を取り入れるか」が重要になってくるんだよ。

集中力を高めるには選曲が重要【プラス作用のBGM】

好きな音楽ははかどらない

集中力を高めて作業効率を良くしたいのであれば、好きな音楽をかけるのはやめましょう。

ここまで読み進めてきたあなたなら、理由はもうお分かりですね。

「意識が持っていかれてしまう」からです。

脳は「意識が必要な作業は並行に処理できない」でした。

自分の好きな音楽を流してしまうと、間違いなくサビに反応してしまいます。
そんなつもりはなくても、耳と脳は好きな曲を無視できません。

そして、集中力を高めるためには「好きな曲」を避けるだけでは不十分です。
「知っている曲」も避けなければいけません。

なので、いつも特定のアルバムを再生するより、定期的に違う音楽を流すことが好ましいです。
膨大な曲数のプレイリストを作成するというのもひとつの手です。

知らない曲も、無意識に耳から流れ込んでくるうちに「知っている曲」になります。

バリエーションに富んだBGMを用意しましょう。

効果が得られるBGMの条件3つ

では、具体的に集中力を高める効果が期待できるBGMとはどういったものでしょうか。

それには3つの条件があります。

  1. 明確な調性を感じないこと
  2. 音量があまり変化しないこと
  3. 声にメッセージ性がないこと

順に解説します。

明確な調性を感じないこと

調性というと難しい言葉ですが、簡単にいうと「明るくも暗くもない曲」ということです。

曲には長調と短調があり、長調だと明るい感じの曲、短調だと暗い感じの曲になりやすくなっています。

ギターなどをやられる方にはメジャーとマイナーという言い方の方が馴染み深いでしょう。

できるだけ「明るい」「暗い」という印象を与えない曲を選びましょう。

明るい曲暗い曲の受け取り方は人それぞれなので、あくまでも自分がそれを聞いて感情が振り回されないことを基準としてください。

音量があまり変化しないこと

これはなんとなくわかりますね。

ハードロックなどは、曲の入りが静かでサビに向かうにつれて激しさを増していくような曲がたくさんあります。

このような曲をBGMにしてしまうと、集中力は上がりません。

ロックが好きな方はなおさら避けてください。
先ほどの「好きな音楽ははかどらない」にも当てはまり、マイナス効果が大きくなってしいます。
決して作業中に頭を振らないでください。

ロックに限らず、曲の中で、あるいはBGM全体を通して音量の変化が大きくならないように選曲しましょう。

声にメッセージ性がないこと

これは結論から言うと、「ボーカルなしの曲にしましょう」ということです。

声というのは人に与える影響力が非常に強いです。

聞いていないつもりでも無意識のうちに刷り込まれていくのです。

言葉の意味を受け取ってしまうと、1つ目の調性についてお話ししたような「明るい」「暗い」と感じる要因にもなります。

それならば、「洋楽なら大丈夫では?」

という考えが浮かびますよね。

英語がわからない人であれば、たしかにメッセージを受け取りにくいため印象の操作は邦楽よりは弱くなります。

しかし、人間の声はアピール力が強力です。

「人の歌声」と認識するだけで脳が反応してしまうので、極力ボーカルが入っていないBGMにする方が無難といえます。

BGMにおすすめの音楽

「正しいBGMを流せば集中力は高めることができる」ということがお分かりいただけたでしょうか。

脳内ホルモンが分泌され、α波が発生し、心理的効果をもたらすことで集中力アップが期待できるとお伝えしてきました。

「では、結局のところ何をBGMにすればいいのか?」

というのが気になるところですね。

総合的に考えて、おすすめできるBGMは次のような音楽です。

  • クラシック
  • インストゥルメンタル(歌なしの曲)全般
  • 環境音(アンビエントミュージック)

この辺りが王道といえます。

ちなみに私は作業中のBGMとしてよくジャズを選ぶのですが、かなり集中して作業ができる実感があります。

自分なりにいろいろと試してきましたが、クラシックだと聞き覚えのあるフレーズが流れるし、環境音だとなにか物足りない気がして、今はジャズに落ち着いている、という感じです。

最近ではサブスクで音楽聴き放題のサービスがたくさんあるので、BGMを探すのにそれほど苦労しなくて済みます。

作業の合間の休憩時間に曲を探して、良さそうな曲は手当たり次第にプレイリストへ放り込んでいます。

あなたにも、自分にとって最適なBGMというのがきっとあるはずです。

それに出会ったとき、BGMなしで作業していた頃とは比べものにならないほどの集中力を得られていることに気が付くはずです。

音楽は脳に作用します。

音楽は人の心理を操ります。

BGMをうまく利用して、集中力をコントロールしましょう。

オネット

歌の入っていない穏やかな曲を、小さめの音量で流せばいいんだね。
これだけで集中力がアップするなら、今日から試してみよう!

クモナギ

いろいろ試していくなかで、自分にぴったりのBGMが見つかるはずだよ。
手軽にできるのに効果は抜群だから、ぜひ、作業のときにはBGMを取り入れてみて。

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